加給年金とは?条件や金額、振替加算まで解説/60代からの年金の話⑧

お金のこと

【年金シリーズ】
①「ねんきん定期便」チェックしてますか?
②日本の年金制度は2階建て
③年金は男女でこんなに違う
④年金は元が取れるか?
⑤繰り上げ・繰り下げ受給って? 
⑥特別支給の年金とは?
⑦働くと損?在食老齢年金制度とは?
⑧加給年金とは?条件や金額、振替加算まで解説←この記事

加給年金とは?

加給年金は、
厚生年金の受給資格のある方が65歳になった時に、

扶養する配偶者や子どもがいる場合に、
ご自身の厚生年金に加算される年金です。

そのため、厚生年金の
「家族手当」や「扶養手当」とも呼ばれています。

この加算には一定の要件がありますので、確認が必要です。

※レアケースまで説明すると
かなり複雑になりますので、
今回はこれから年金を受給する方に向けた説明となります。

なお、令和4年4月の制度改正により、
加給年金の停止要件が変更されています。

詳細は「日本年金機構:加給年金額と振替加算」をご確認ください。

加給年金額と振替加算

加給年金を受給できる条件

加給年金とは、

厚生年金の受給者で一定の要件に当てはまる方に
加算される年金です。

※「日本年金機構:加給年金額と振替加算」から作成

加給年金を受給できるのは、65歳になった時点で、

  • 厚生年金の被保険者期間が20年以上あること
  • 受給者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいること
  • 受給者によって生計を維持されている
    18歳到達年度の末日(通常は高校3年生の3月31日)までの子どもがいること

が条件です。

「生計を維持されている」とは

“生計を維持されている”とは、

  • 年間の収入が850万円未満
    (所得では655万5千円未満)
  • 生活費の援助を受けるなど、受給者に依存している状態

のことです。

別居していても、仕送りを受けているなどの
実態があれば認められることがあります。

また、内縁関係も対象になる場合があります。

加給年金の金額

加算額は、

  • 配偶者 243,800円
  • 1人目、2人目の子 各243,800円
  • 3人目以降の子 各81,300円

です。

また、配偶者の加給年金額には
36,000円から179,900円が特別加算されます。

※「日本年金機構:加給年金額と振替加算」から作成

加給年金が停止される場合

加給年金は、

  • 年齢の要件に該当しなくなった場合
  • 生計を維持されなくなった場合
    (離婚、死亡等によるものを含む)

に停止されます。

また、配偶者が老齢厚生年金、
退職共済年金、障害年金を

受け取る権利がある時も停止されます。

但し、この停止は以前は「権利がある時」ではなく
「受け取っている時」でした。

年金制度の改正により、令和4年4月以降は、
受け取っていなくても「権利がある」場合には停止されます。

これから年金を受給する方の中には、
この改正によって加給年金を受け取れないケースもありますので注意が必要です。

振替加算とは

振替加算は、
配偶者が65歳になって
受給者に加算されていた加給年金が停止された際に、

代わりに配偶者側の老齢基礎年金に加算される制度です。

対象になるのは、加給年金加算の対象だった方のうち、
以下の要件に当てはまる方です。

  • 昭和41年4月1日までに生まれていること
  • 老齢基礎年金の受給資格があること
  • 老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金(退職共済年金)
    を受給する場合には、それらの加入期間が240月未満であること

振替加算の額

振替加算の額は生年月日により異なります。

昭和61年4月1日に59歳以上だった方は最も高額で、
その後は年齢が若くなるごとに減額されていく仕組みです。

昭和36年4月2日から
昭和41年4月1日までに生まれた方は、

年額16,335円、月額にすると約1,361円です。

現在65歳前後の方が対象となる振替加算は、
以前の世代と比較するとかなり少額になっています。

加給年金の請求手続き

加給年金は請求が必要です。

請求の際には年金事務所に必要書類を提出します。

届出書類のほかに、

  • 戸籍抄本
  • 住民票
  • 所得証明書

などが必要となりますので、
必ず確認してから申請してください。

また、配偶者が65歳以上になった場合以外の理由で停止となる際にも届出が必要です。

加給年金で注意したいポイント

繰下げ受給した場合

繰下げ受給をした場合は、
繰下げた期間の加給年金を受け取ることができません。

年金は繰下げると期間に応じて増えていきますが、
加給年金は増額の対象にはなりません。

また、繰下げた期間内の加給年金を後から受け取ることもできません。

老齢年金の増額効果だけでなく、
失われる加給年金の額も考慮して判断したいところです。

厚生年金が全額支給停止の場合

在職老齢年金制度などにより
厚生年金が全額支給停止になっている場合には、

加給年金も受け取ることができません。

配偶者が年上の場合

配偶者が年上の場合には、
配偶者に対する加給年金は受け取れません。

なぜなら、加給年金は「65歳未満の配偶者」が対象だからです。

ただし、振替加算の要件を満たしている場合には、
振替加算の対象となることがあります。

まとめ

加給年金は、

厚生年金に20年以上加入していた方が65歳になった時に、

扶養する配偶者や子どもがいる場合に加算される年金です。

金額は配偶者や子どもの人数によって異なりますが、

「厚生年金の家族手当」とも呼ばれる比較的大きな加算です。

一方で、

  • 配偶者が65歳になる
  • 生計維持関係がなくなる
  • 配偶者に老齢厚生年金などの受給権がある

といった場合には停止されます。

特に令和4年4月からは、
それまでの「実際に受給している場合」から

「受給権がある場合」へとルールが変更されたため、
以前より加給年金を受け取れないケースが増えています。

また、配偶者が65歳になると加給年金は終了しますが、
一定の要件を満たしていれば、

今度は配偶者側の老齢基礎年金に
振替加算が加算される場合があります。

加給年金は自動的に加算されるわけではなく請求が必要です。

これから年金を受給する方は、
ご自身だけでなく配偶者の年齢や年金加入歴も確認しながら、

対象になるかどうかを一度確認しておくと安心ですね。

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