働くと損?在食老齢年金制度とは?/60代からの年金の話⑦

お金のこと

【年金シリーズ】
①「ねんきん定期便」チェックしてますか?
②日本の年金制度は2階建て
③年金は男女でこんなに違う
④年金は元が取れるか?
⑤繰り上げ・繰り下げ受給って? 
⑥特別支給の年金とは?
⑦働くと損?在食老齢年金制度とは?←この記事

在職老齢年金制度とは

年金の受給開始年齢を決める際に、
知っておかなければならないことの一つに

在職老齢年金制度があります。

どんな制度かというと…

「働きながら年金を受給する高齢者について、

一定以上の収入のある方は
年金制度を支える側に回っていただく

という考え方に基づき、年金の受給額を調整する仕組み」です。

どういう仕組み?

ん?どういうこと?

「もらえる給料」と「もらえる年金額」の合計が
一定の基準額を超える場合、

超えた分の半分の「老齢厚生年金」がカットされる制度です。

具体例で見てみる

2026年3月までの「一定の額」は51万円でした。

<計算例>

65歳になっても働いて、給料を受け取っているとします。
この計算にはボーナスも含めた年収を使います。

月 収 ・・ 34.5万円
ボーナス ・・ 138万円(年間4か月分)

の方の場合、年収は552万円になります。

この年収を、12で割ると
この方の1か月の収入は46万円となります。

ボーナスも含めてから12か月で割ることがポイントです。

「一定の額」の51万円を超えた分は
51ー46=5万円ですね。

そして年金ももらっているとします。

年金額 ・・ 老齢基礎年金:68,000円
老齢厚生年金:100,000円

この場合、在職老齢年金の調整に使われるのは、
この10万円の老齢厚生年金部分です。

51万円を超えた分は5万円。
この5万円が調整の対象になり

その半分である25,000円が支給停止となります。


※少しわかりづらいので、図で整理してみます。

正直な気持ちとしては…

今までずっと働いてきて、やっと年金がもらえる年齢になって、
65歳になっても働けて収入があるというのは本人の努力の証拠です。

それなのに…と思う制度ですよね。

65歳を超えて、現役時代の7割くらいの給料で働けている人は、
結構当たってしまうのでは?と思います。

“年金いつからもらうか問題”を考えるにあたっては、大事なポイントですよね。

朗報:基準額が引き上げへ

関係ないわーという方も多いと思いますが、
当たってしまうかもしれない方には朗報があります。

この減額になる基準額が、令和8年4月から

51万円から65万円に大きく引き上げられました。

前述の例の年収の方なら、
老齢厚生年金部分が19万円までは調整されないことになります。

これなら当たらない方がぐっと多くなるのでは?と思います。

制度へのモヤモヤ

年金制度は、今まで積み立ててきたものを受け取る制度ではなく、
現役世代が高齢世代を支える制度です。

なのに収入が高ければ支える側に回ってくださいって、
どういうこと?と思ってしまいますよね。

元から運の良い人もいるかもしれませんが、

高齢になって給料をもらえるのも、老齢厚生年金が高額なのも本人の努力です。

ちょっとモヤモヤしていたものが、少し整理できた気がします。

働く高齢者は増えている

平均寿命も健康寿命も伸びる中、65歳を超えて働く方の割合は増えています。

65歳~69歳の就業率は、1990年には38.7%でしたが、
2025年には54.5%と、半数以上の方が働いています。

そんな中、働きながら年金を受け取っている受給者は308万人で、
そのうち在職停止者は16%もいます。

制度改正の背景

自分が働いていることによって年金がカットされる制度の中で、
「ここまでの収入に留めておこう」と考える人も少なくないと思います。

ただ、労働市場の中で人手不足も深刻化している今、
そんなことで労働意欲を失わせてはいけないという考えのもと、
今回の改正が行われたようです。

これで少しでも、働きたい高齢者が働きやすくなるといいですよね。

これからの働き方

頑張ってきた人がきちんと報われて、

また継続して頑張りたい人には思い切り頑張れる場がある、
そんな世の中であってほしいと思います。

その中で高齢者がうまくやっていくためには、
頭も柔らかくしていかないといけませんね。

それはまた別の機会に。


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