軽やかに旅しよう|夏の岩手へ、再び。猊鼻渓・遠野・花巻をめぐる旅

【2026年夏】「どこかにビューーン」で岩手へ

JR東日本のJRE POINTサービス

「どこかにビューーン」を初めて使ってみました。

その時のドキドキ顛末はこちら。

JRのおトクな使い方⑦|「どこかにビューーン」を使ってみた!6,000ポイントで新幹線旅

当たったのは岩手県の一ノ関駅。

私の旅記事を読んでいただいていたら、
「あれ?」と思いませんか?

そうです、4月に岩手旅で訪れました。

軽やかに旅しよう|世界遺産中尊寺と名湯をめぐる

でも今回同行する友人は初めてとのこと。

しかも4月には拝見できなかった中尊寺の秘仏がご開帳中。

前回は行けなかった遠野や花巻にも行けそう。

ということで、岩手旅再びです。

まずは猊鼻渓で舟下り

初日は大宮から新幹線で一ノ関駅へ。

朝早い便だったので、9時前には到着しました。

レンタカーを借りて、
前回は時間の関係で行けなかった「猊鼻渓」で舟下りを楽しみます。

「猊鼻渓(げいびけい)」は、
砂鉄川の浸食によってつくられた約2kmにわたる渓谷です。

両岸には高さ100mを超える石灰岩の断崖がそびえ、国の名勝に指定され、日本百景のひとつにも選ばれています。

新緑、紅葉、雪景色と、四季によってまったく違った景色が楽しめる場所です。

一ノ関駅から猊鼻渓までは車で20分ほど。

朝一番の便が狙い目だと思います。

駐車場も空いていましたし、
私たちが乗った便は舟も1艘だけ。

途中ですれ違ったのも、
行きは団体さんと思われる1艘だけでした。

景色はほとんど貸し切り状態です。

ところが帰りには5~6艘とすれ違いましたので、あっという間に混んだ感じでした。

季節にもよると思いますが、
朝ならまだ少し気温も涼しいですし、
午前中の光も気持ちがいい。

ここで「行き?帰り?」と思われた方は流石です。

ここの「舟下り」は、なんと往復なのです。

ということは「行き」は川の流れを逆走することになります。

「下りじゃないじゃーん、と思いますよね?」
これは船頭さんのセリフです(笑)。

猊鼻渓の舟下りは、流れのある部分の間にある、ほとんど流れのないところを往復します。

なので行きは船頭さんが竿一本で舟を操り、ゆっくりと川を遡っていきます。

途中、岩につけられた名前やその由来などを次々と説明してくれます。

ここの船頭さん、すごいです。

帰りには朗々と歌まで歌ってくれます。

切り立った岩。
午前中の光。
夏の濃い緑。

ゆっくりと進む舟から眺める景色は、それだけでも気持ちがいい。

折り返し地点では一度舟を降りて、20分ほど散策できます。

ここでは、願いを込めた「運玉」を岩の穴に投げ入れる「運玉投げ」も猊鼻渓ならではのお楽しみ。

一緒の舟の方では、元野球部かしら?と思ったお父さんが2人成功していました。

私は見ただけで断念しました(笑)。

その他は、ゆっくりと川を往復する癒しの時間でした。

あ、鯉の餌も出発時の売店で売っていて、持って乗るとあげることができます。

一緒に乗っていた小学生の子たちは楽しそうでした。

一ノ関に戻って「ひと口もち膳」

猊鼻渓を後にして、一旦一ノ関駅まで戻ってランチです。

ランチは前回すっかり気に入った「ひと口もち膳」。

朝ついたお餅は相変わらず美味でした。

食後は中尊寺へ向かいます。

夏の中尊寺へ再び

夏休みだけあって、春よりも混んでいました。

観光客はたくさんいて、
暑くもありましたが、夏の中尊寺も春と変わらず、

静謐な威厳のある佇まいでした。

春と同じく金色堂などを見て再び感動しましたが、今回はもう一つ大きな目的があります。

秘仏のご開帳です。

中尊寺秘仏「一字金輪佛頂尊」

中尊寺秘仏「一字金輪佛頂尊(いちじきんりんぶっちょうそん)」

平安時代の仏様で、中尊寺落慶900年と世界文化遺産登録15周年を記念してご開帳されています。

建物に入ると、仏様を見ながらお坊さんが説明してくれます。

前からだけではなく、右から左からもじっくりと見ることができます。

背景の金輪や戴いている宝冠などは、とても平安時代のものとは思えない美しさで、思わず見とれてしまいます。

が、やっぱり素晴らしいのはお顔です。

なんで仏様を前にすると、
あんなに心がすーっと落ち着くのか。

昔は天変地異や国家的大事の際に作られることが多かったというのも、分かるような気がします。

傷ついた数多の人々を、癒すためのお顔なのだなと思いました。

令和8年11月15日までご開帳されていますので、機会があればぜひご覧いただきたいと思います。

中尊寺の後は、春と同じく

毛越寺。

達谷窟毘沙門堂。

厳美渓。

と回って宿に入りました。

今回も「祭畤温泉 かみくら」へ

宿も友人に話したら、

「行ってみたい!」

となったので、前回と同じ「祭畤温泉 かみくら」へ。

同じように着物を着て、ジャパニーズフレンチをいただきました。

こちらについては前回の記事に詳しく書いています。

軽やかに旅しよう|世界遺産中尊寺と名湯をめぐる

2日目は「民話のふるさと」遠野へ

2日目は、前回見合わせた遠野へ行ってみました。

岩手県内陸部にある遠野は、
昔から伝わる民話や伝説が今も色濃く残る町。

遠野の名を全国的に知らしめたのが、
1910年に刊行された柳田國男の『遠野物語』です。

カッパや座敷わらし、オシラサマなど、
不思議な存在が登場する物語の舞台が市内のあちこちに残っています。

「民話のふるさと」と呼ばれる遠野ですが、実際に訪れてみると、昔話だけではなく、

山に囲まれた土地で暮らしてきた人々の生活や信仰が今も感じられる町でした。

私は特に「オシラサマ」に興味があって、一度見てみたいと思っていました。

まずは遠野伝承園へ向かいます。

宿からは2時間ほどのドライブでした。

遠野伝承園でオシラサマを見る

遠野伝承園は、遠野に昔から伝わる暮らしや民話、信仰などに触れることができる施設です。

園内には国の重要文化財に指定されている南部曲り家「旧菊池家住宅」や、『遠野物語』の話者として知られる佐々木喜善に関する資料などがあります。

そして私が見たかったのが、遠野地方に伝わる神様「オシラサマ」。

「御蚕神(オシラ)堂」には約千体のオシラサマが祀られています。

このたくさんのオシラサマのお部屋は圧巻でした。

壁一面に色とりどりの布がびっしり。

思い思いの願い事が書かれていて、ちょっと

「人の願い事」の重さを感じるような空間でした。

昔の農家の暮らしを再現した建物や民具、カッパにまつわる展示などもあって、遠野の民話が生まれた背景を知ることができます。

ここを見てからカッパ淵へ向かうと、遠野の世界観がより分かりやすくなると思います。

カッパ淵へ向かう途中、ホップ畑を発見

遠野伝承園からカッパ淵までは歩いて5~10分ほど。

ぶらぶらと田舎道を歩きます。

で、途中で

「ブドウ畑?」

と思った場所で、思わず立ち止まってしまいました。

たわわに実っていたのはブドウではなくホップ!

そう、ビールの元の、あのホップです。

遠野はホップの栽培が盛んな地域だそう。

私たちが訪れた8月はちょうど収穫期を迎える頃で、ツルには緑色のホップがたくさん付いていました。

松ぼっくりのように見える部分は「毬花(まりばな)」と呼ばれる花で、ビール独特の香りや苦味のもとになります。

ビールになったホップはもちろん知っているけれど、畑で育っている姿を見るのは初めて。

想像していたよりずっと背が高く、頭上まで続くホップ畑はなかなか壮観でした。

カッパを見に行く途中で、思いがけず「ビールの里・遠野」らしい風景にも出会えました。

本当にカッパがいそう?「カッパ淵」

ホップ畑を眺めながら歩いていくと、常堅寺に到着。

その裏手を流れる小川にあるのが、有名な「カッパ淵」です。

遠野には昔からカッパにまつわる話が数多く伝わっていて、『遠野物語』にもカッパの話が登場します。

かつてこの淵にもカッパが住み、人々を驚かせたり、いたずらをしたりしたと伝えられているそうです。

実際に行ってみると、大きな観光施設があるわけではありません。

木々に囲まれた小川がさらさらと流れている、本当に素朴な場所です。

でも、その素朴さがかえって、

「本当にカッパがいるんじゃないか?」

と思わせるような雰囲気があります。

淵にはカッパ像や祠もあります。

模型のきゅうりを先につけた釣り竿も置いてあって、子どもがカッパ釣りをしていました。

可愛かった。

遠野ジンギスカンを食べるはずが……

この後、本来なら遠野ジンギスカンを!

と思っていたのですが、行ったのは多くの方が夏休みだったと思われる翌週の月曜日。

普段は定休日ではないお店も休んでいました。

ということで、道の駅でラム定食を食べるにとどまりました。

混雑を避けて旅行すると、時々こういうこともありますね。

気を取り直して、その後は遠野市立博物館へ。

遠野市立博物館「遠野物語とオシラサマ」

遠野市立博物館では、ちょうど夏季特別展「遠野物語とオシラサマ」が開催されていました。

オシラサマとは、桑の木などで作られた二体一対のご神体。

東北地方を中心に、家の神、養蚕の神、目の神などとして古くから信仰されてきました。

柳田國男の『遠野物語』にも登場し、馬と娘の悲しい物語とともに伝えられています。

今回の特別展には、岩手県内や東北各地に伝わるオシラサマが数多く展示されていました。

印象的だったのが、オシラサマがまとっている色鮮やかな布。

祭日には「オセンダク」と呼ばれる新しい布を着せ、豊作や家内安全などを祈る風習があります。

そのため長い年月を経たオシラサマは、何枚もの布を重ねた独特の姿になっています。

一口にオシラサマといっても、その姿はさまざま。

布から頭を出している「貫頭型」と、頭まで布で包む「包頭型」があり、遠野では貫頭型が多いそうです。

遠野伝承園ではたくさんのオシラサマに圧倒されましたが、博物館ではその意味や歴史を知ることができました。

民話として『遠野物語』を読むだけでは分かりにくいものが、実物を見て、その背景を知ることで少し身近になった気がします。

オシラサマには、

“祀り始めたら粗末に扱ってはいけない”
”川に流しても戻ってくる”
といった、少し怖さを感じる伝承もあるそう。

家で代々祀られてきた神様だと知ると、単なる昔話とは違うものを感じます。

ちょっと怖くて、とても神秘的。

私が今回、遠野で一番見てみたかったものだけに、とても興味深い展示でした。

旅の最後は「宮沢賢治記念館」へ

遠野をあとにして向かったのは、花巻市にある宮沢賢治記念館。

胡四王山の中腹にあり、宮沢賢治の生涯や作品、その思想について紹介する記念館です。

宮沢賢治というと、『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』『雨ニモマケズ』など、詩人・童話作家としてのイメージが強いのですが、その興味や活動の範囲は驚くほど幅広いもの。

館内では賢治の世界を「科学」「芸術」「宇宙」「宗教」「農」という5つの分野から紹介しています。

作品だけではなく、故郷・岩手との関わりや家族、交流のあった人々などについても展示されていて、「宮沢賢治」という人物そのものを知ることができる記念館でした。

特別展「猫とねずみのはなし」も開催中

私たちが訪れたときには、特別展「猫とねずみのはなし」も開催されていました。

宮沢賢治の童話にはさまざまな動物が登場しますが、中でも猫とねずみは多くの作品に登場します。

今回の特別展では『猫の事務所』をはじめ、猫やねずみが登場する作品を取り上げ、その描かれ方などを紹介していました。

展示されていた手書き資料の原稿やスケッチも、とても興味深いもの。

特に印象に残ったのが、賢治の文字です。

文学者というと、なんとなく達筆な文字を想像していたのですが、実際に残された文字は意外にも素朴。

「なんだか小学生が書いた字みたい」

と思ってしまって、ちょっと親近感(笑)。

猫の顔を描いたスケッチなども残されていて、完成した作品を読むだけでは分からない、宮沢賢治の創作の世界を垣間見ることができました。

小さい時から散々読んできましたが、また色々と読み返したくなりました。

「また岩手?」から始まった2度目の旅

遠野では『遠野物語』やオシラサマ、カッパの伝説に触れ、最後は花巻で宮沢賢治の世界へ。

「どこかにビューーン」で行き先が一ノ関に決まったときは、

「4月に行ったばかりなのに、また岩手?」

とも思いました。

でも、季節が変われば景色も変わります。

前回行けなかった場所を巡ってみれば、まだまだ知らない岩手がありました。

春には春の岩手。

夏には夏の岩手。

そして、2度目だからこそ「今回はここへ行ってみよう」と、前回とは違う楽しみ方もできました。

「どこかにビューーン」が連れてきてくれた、2度目の岩手旅。

行き先を自分で選べない旅も、なかなかいいものです。


実際に訪れた旅の記録と、
JRをはじめとするおトクな旅の情報をまとめています。
✈️ 軽やかに旅しよう|記事一覧


参考になりましたら、応援クリックいただけると嬉しいです😊

コメント

タイトルとURLをコピーしました