アイフレイルって知っていますか?|60代から始めたい目の健康習慣

健康

これまで、フレイルは病気ではなく
「衰え始めたサイン」であり、

早く気付けば予防や改善が期待できることをお話してきました。

また、「オーラルフレイル(お口の衰え)」についても取り上げ、

健康寿命との深い関係をご紹介しました。

今回は、その「目」のフレイルであるアイフレイルについて書いてみたいと思います。

「目はいいから大丈夫」と思っていました

私は子どもの頃から目が良く、
視力検査で引っかかったことがありません。

そのため、つい最近まで近視用のメガネとは無縁の生活でした。

健康診断でも今でも視力は1.0以上あります。

「目のいい人は老眼になるのが早い」
と若い頃から言われてきましたが、
それも比較的遅いようで、
62歳になった今でも仕事のほとんどは裸眼でできています。

そのため眼科とはほとんど縁のないまま、この歳になりました。

時々眼科に行くのは「結膜下出血」。

なったことがありますか?

白目が少し充血する程度ではなく、
真っ赤な血の色になってしまうあれです。

初めてなったのは10年ほど前でしょうか。

あまりに驚いて病院へ飛んで行きました。

診察した先生は

「心配ないですよ。かれーだね。」

と一言。

「かれー?カレー?」

と頭の中が???になっていると、

「年ってこと。」

「あぁ、加齢か!」

それが私にとって初めての「加齢」の洗礼でした。

(その後は行く先々で耳にする言葉になりました。)

そんな私でも60歳を過ぎた頃から少しずつ変化が出てきました。

新聞を読む時は老眼鏡が必要になり、
薄暗いカフェではメニューが読みにくい。

結膜下出血にも時々なります。

以前より紫外線もまぶしく感じるようになりました。

そんな頃、テレビでACジャパンの
「アイフレイル」のCMを見るようになりました。

「疲れ目」

「夕方になると見えにくい」

「歳のせいと思わないで」

まさに自分に当てはまる内容です。

「歯の定期検診と同じように、目も定期的に診てもらった方がいいのかな?」

そう思うようになりました。

60代になると、目の悩みは本当に増えます

ここ数年、同年代の友人たちと話をしていて、

よく耳にする体の変化の一つが「目」のことです。

私は「目がいいからうらやましい」と言われることが多いのですが、

その一方で友人たちからは、こんな話を聞くようになりました。

・コンタクトレンズが入れづらくなった

・メガネをかけても舞台がはっきり見えない

・A4の資料では小さくて読めないので拡大コピーしている

・夜は見えにくいので、もう運転はしないようにしている

・白内障の手術を受けた

・飛蚊症になって眼科へ行った

人それぞれ症状は違いますが、
「目のことで困るようになった」という話は、

この数年で本当に増えました。

以前は健康の話といえば血圧や腰痛の話題が多かったのですが、

60代になると「目」の話も自然と増えてきます。

そんな話を聞くうちに、

「年だから仕方ない」で済ませてしまうのではなく、

一度きちんと目の健康について知っておこうと思うようになりました。

アイフレイルとは?

アイフレイルとは、加齢によって目の機能が少しずつ低下し始めた状態をいいます。

病気の名前ではありません。

「最近見えにくい」

「目が疲れやすい」

そんな小さな変化が、将来の目の病気につながるサインである可能性があります。

早く気付いて適切な治療や生活改善を行えば、

進行を遅らせたり、見え方を維持できる可能性があります。

まずはセルフチェック

□ 目が疲れやすくなった

□ 新聞や本を長時間見ることが少なくなった

□ 夕方になると見えにくくなることが増えた

□ 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった

□ 食事の時にテーブルを汚すことがある

□ まばたきをすると見やすくなることがある

□ まっすぐの線が波打って見えることがある

□ 段差や階段で危ないと感じたことがある

□ まぶしく感じやすい

□ 信号や道路標識を見落としたことがある

日本眼科医会では、

2項目以上当てはまる場合はアイフレイルの可能性があるとして眼科受診を勧めています。

ただ正直に言うと、

「60代ならほとんど当てはまるのでは?」

と思ってしまいました。

実際、視力には自信のある私でも4項目当てはまりました。

もちろん、このチェックだけで病気というわけではありません。

老眼など年齢による変化のほか、
白内障や緑内障、
加齢黄斑変性などの病気でも見られる症状が含まれています。

あくまで「目の健康を見直すきっかけ」と考えると良いでしょう。

放っておくと全身のフレイルにもつながる

人が外界から得る情報の多くは、視覚によるものといわれています。

そのため、見えにくくなることは目だけの問題ではありません。

視力が低下すると

  • 外出がおっくうになる
  • 運動量が減る
  • 筋力が落ちる
  • 転倒や骨折の危険が高まる
  • 人と会う機会が減る
  • 認知機能にも影響する可能性がある

など、生活全体に影響を及ぼします。

以前ご紹介したフレイル予防の三本柱

  • 運動
  • 栄養
  • 社会参加

これらすべてに関係してくるのです。

まさにアイフレイルは、全身のフレイルの入り口ともいえる存在です。

アイフレイルの背景にある主な病気

「年齢だから仕方ない」と思っていた見え方の変化の中には、治療できる病気が隠れていることもあります。

代表的なのは、白内障・緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症です。

「見えにくい」と一言でいっても、病気によって見え方は異なります。

【ここに4枚比較図】

白内障

加齢によって水晶体が濁り、全体がかすんで見えたり、まぶしさを強く感じたりします。

進行すると手術が必要になりますが、現在は比較的安全性の高い手術として広く行われています。

緑内障

視神経が傷み、少しずつ視野が欠けていく病気です。

初期にはほとんど自覚症状がないため、「気付いた時にはかなり進行していた」ということも少なくありません。

日本人の失明原因の上位を占める病気です。

加齢黄斑変性

物を見る中心部分が見えにくくなったり、欠けて見えたりする病気です。

また、まっすぐな線がゆがんで見えたり、波打って見えたりすることも特徴の一つです。

セルフチェックにあった「まっすぐな線が波打って見える」という症状は、この病気のサインである可能性があります。

糖尿病網膜症

糖尿病によって網膜の血管が傷つき、視力が低下する病気です。

初期は自覚症状が少ないため、糖尿病と診断された方は定期的な眼底検査が重要になります。


これらの病気は、高齢になって急に始まるわけではありません。

40代・50代から少しずつ進行していることも多く、早期発見・早期治療がとても重要です。

「年齢のせいだから」と思って見過ごしてしまうと、治療のタイミングを逃してしまうこともあります。見え方に気になる変化があれば、早めに眼科を受診しましょう。

目の健康を守るために

アイフレイルを予防するために大切なのは、

  • 見え方の変化を我慢しない
  • 定期的に眼科を受診する
  • 必要に応じて眼鏡を作り直す
  • 紫外線対策をする
  • 糖尿病や高血圧など生活習慣病をコントロールする

といった日頃の積み重ねです。

自治体によっては健康診断で眼底検査を受けられる制度もありますので、一度確認してみるのもおすすめです。

まとめ

「目はいいから大丈夫。」

長い間、私もそう思っていました。

でも、視力が良いことと、
目が健康であることは必ずしも同じではありません。

「年だから仕方ない」で終わらせず、
小さな変化に気付くことが、目の健康を守る第一歩です。

少しでも長く推しの姿がよく見えるように。

旅先の美しい景色や電車の車窓を楽しめるように。

そして、大切な家族や友人の笑顔をしっかり見続けられるように。

健康な目は、健康な歯と同じように、

健康寿命を延ばし、人生を楽しむための大切な財産です。

ぜひ一度、ご自身の「目」にも目を向けてみてください。


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